健康情報局
人は食事をとると、必ず消化管内でガスが発生します。そして定期的にたまったガスは呼気(呼吸)や放屁(おなら)として排泄されていきます。 このとき、消化管内のガスの産生と排泄のバランスが崩れ、ガスが腸管内に過剰にたまった状態のとき、腹部膨満感が起こります。これは、鼓腸ともいわれます。
緊張したりストレスがかかると空気を異常に飲み込んでしまう呑気症や自律神経の機能異常があります。最近多く見られる過敏性腸症候群(IBS)による腹部膨満感や腹痛の原因もこれにあたります。
腸内細菌叢の変化で悪玉菌が増えてくると、異常発酵により腐敗ガスが発生します。また、繊維質の多い食事や糖質を多く含む食べ物はガスを増やしやすく、吸収不良や腸内菌叢の変化によって過剰なガスが発生します。
消化管の運動機能が低下すると、腸内にたまったガスが排泄されずに腹部膨満感がおこります。便秘や過敏性腸症候群がこの状態です。
その他に、腸閉塞では、腸内容物と共にガスも排泄できません。腸粘膜の炎症や循環障害では、ガスが身体に吸収されて呼気として排泄できませんので腹部膨満感がおこります。