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木(もく)クレオソートの誤解 正露丸の主成分であり、お腹に有効に作用する木(もく)クレオソート・・・。しかしながら、この木(もく)クレオソートに関して、様々な誤解が生じているのも事実です。 ここでは、最新の研究データを元に、木(もく)クレオソートに関する誤解を解決します

「クレオソート」には医薬品と防腐剤の2種類がありますおなかの菌を殺さないの?どんな下痢に対しても効果があるの?

生薬がおりなす正露丸色

一般に「クレオソート」と呼ばれるものには、木(もく)クレオソート(wood creosote)と石炭クレオソート(coal-tar creosote)の2種類があります。これらは全く別の物質にもかかわらず、同じものと誤解されることがあります。
そして、この誤解が「正露丸は危険」「正露丸は発がん性がある」などの噂に繋がってきました。

木(もく)クレオソート 医薬品の木(もく)クレオソート

正露丸の主成分である木(もく)クレオソートは、ブナやマツなどの原木を乾留して得られる木(もく)タールを精製した微黄色透明な液体です。
医薬品として使用されており、正露丸・セイロガン糖衣Aの主成分として含まれています。日本薬局方(医薬品の規格基準書)には、「クレオソート」として収載されていましたが、「木(もく)クレオソート」に名称変更されました。
グアヤコール、クレオソール、フェノールなどのフェノール系の化合物を含む生薬です。

石炭クレオソート 防腐剤の石炭クレオソート

石炭クレオソートは、石炭を乾留する際に副生成物として得られるコールタールを蒸留した黒褐色の液体です。
カーボンブラックの原料、枕木や電柱などへの木材の防腐剤として使われています。工業用クレオソート、クレオソート油ともいい、日本工業規格で規定されています。
一部の石炭クレオソートには、ベンゾピレンが含まれているため、家庭用品規制法で使用が規定されています。

2種類の「クレオソート」は、さまざまな書物や雑誌だけでなく、医師・薬剤師など専門家の方の中でも混同されている場合があります。アメリカのNTP(米国国家毒性プログラム)やEPA(米国 環境保護庁)においても、過去に誤解による記載がありましたが、改訂されることになりました。

木クレオソートに含まれるフェノールに対する誤解

木(もく)クレオソートにはフェノールが含まれているため、一部の間で、木クレオソート、すなわち「正露丸やセイロガン糖衣Aが危険では?」という誤解があります。
フェノールは、高濃度では、タンパク質を変性させて、腐食性があり、皮膚や目に接触すると障害をおこす成分です。しかし、私たちの生活環境において、環境中に存在するもので、たばこの煙、燻製の肉・魚、飲料水にもフェノールは含まれています。そして、健康な人の血中にもフェノールが含まれていることがわかっています。
また、様々な公的な報告書で、経口投与したフェノールには発がん性がないことが報告されています。さらに、これらの報告書では、フェノールの毒性発現量も報告されていて、その量に比べると、正露丸に含まれるフェノールの量はかなり少ない量であることがわかっています。