健康情報局
人は生活していく中で、必ず感染症にかかるものです。私たちは、気づかないうちにいつの間にかさまざまな感染症にかかっています。ほとんどは軽度なものですが、まれに重篤な症状を起こす場合があり、中には生命に危険を及ぼすような感染症があります。
このように、人は常に感染のリスクにさらされています。感染のリスクを最小限にくい止めるためには、日頃から日常生活での衛生管理に留意しておくことが大切です。
一方、感染症に感染することは、感染症に対する抵抗力(免疫)を獲得する機会でもあるため、人にとっても必要なことといえます。
誰もが一度はかかったことのある風邪(感冒)は、最も一般的な感染症です。正式には「風邪症候群」といい、鼻やのどなど上気道の粘膜に病原体が感染して起こる急性の炎症性疾患の総称です。原因となる病原体は、ほとんどがウイルスで、細菌・マイコプラズマ・クラミジアなどもあります。消化器に感染して下痢や嘔吐などを引き起こすウイルスもあり、いわゆる"お腹の風邪"といわれています。病原体がインフルエンザウイルスである上気道感染症のインフルエンザ(流行性感冒、流感)は、風邪とは区別して扱われます。風邪もインフルエンザも、主に接触感染や飛沫感染で他の人に感染します。
そのほとんどが細菌やウイルスに汚染された食品や水を摂取したために起こる感染性胃腸炎です。病原体となる細菌やウイルスもさまざまで、病原体によって症状も感染性も異なります。
皮膚の感染症の代表である水虫は、足白癬(あしはくせん)といいカビの1種である白癬菌が皮膚に感染して起こります。日本で約1000万人を超える患者がいるといわれ約10人に1人が水虫に感染していることになります。白癬菌が感染する体の部位によって水虫(足白癬)(足)、爪白癬(爪)、しらくも(頭部)、いんきん(陰部)、ぜにたむし(体部)などさまざまな名で呼ばれ、総称して白癬(はくせん)といいます。
俗にいう「ものもらい」(地域によっては「めばちこ」「めいぼ」などと呼ばれる)、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)という感染症です。これは、まぶたの縁やその下にある汗腺やまつげの毛根の細菌感染で起こります。多くの場合は皮膚表面に存在するブドウ球菌の感染によって起こるため 伝染することはありません。
日本人で約100万人が感染しているといわれるクラミジア、毎年感染者が増加傾向にあるHIV感染は、主に性行為によって感染する性感染症です。症状が軽い場合や症状が出ない場合があり、気付かないうちに感染させてしまう可能性があります。
皮膚、呼吸器官、消化器官、生殖器だけに限らず、泌尿器(膀胱炎、腎盂腎炎など)、循環器(感染性心内膜炎など)、脳や脊髄(髄膜炎、脳炎、クロイツフェルト・ヤコブ病、帯状疱疹など)、骨(骨髄炎など)などのさまざまな臓器に、感染症は起こります。
感染症の詳細情報について詳しく知りたい方は、「感染症ラボ」をご覧ください。