健康情報局

細菌性食中毒の発生状況

細菌性食中毒の発生状況

日本では、この10年間で食中毒の発生件数と患者数は徐々に減少してきています。これは細菌性食中毒が減少したことによるものです。食品製造工場での衛生管理の徹底や、家庭での手洗いの励行などの衛生意識の高まりによるものと思われます。
厚生労働省からの食中毒統計資料によると、過去5年間での細菌性食中毒の発生件数は全発生件数の約41%で、いまだ高い割合で発生していることがわかります。
細菌は高温多湿で増えやすいため、蒸し暑い梅雨時期から夏にかけて細菌性の食中毒は多発します。しかし、厚生労働省への過去10年間での届出によると、5月頃から10月頃まで発生件数が高い傾向がみられています。また、これらの数は保健所へ届出のあった数だけですので、実際にはもっと多いと推察できます。
また、食中毒の原因菌の代表であったサルモネラ、腸炎ビブリオ、大腸菌などの発生件数が年々減少している一方、カンピロバクターによる細菌性食中毒は減少はみられず、細菌性食中毒発生件数の60%以上となっています。

食中毒の分類

日本で少なくなったコレラ、赤痢、腸チフスは、海外では流行がみられることがあります。
国立感染症研究所からの発表によると、これらの感染症は海外からの帰国者が持ち込む輸入感染症として発見されることが報告されています。赤痢は主にアジア地域からの輸入感染が半数以上を占めていますが、ここ数年、保育園、ホテル、施設での集団感染もみられています。
海外旅行では、病原体に汚染された食品、生水、氷などが原因で激しい下痢を起こす「旅行者下痢症」になる場合がしばしばあります。「旅行者下痢症」の原因となる病原体には、コレラ菌、赤痢菌、チフス菌、病原性大腸菌、サルモネラなどの細菌以外に、ノロウイルスなどのウイルス、ランブル鞭毛虫、赤痢アメーバ、クリプトスポリジウムなどの寄生虫が原因の場合があります。

コレラ、赤痢、腸チフスの年別・感染地域別報告数(2007~2009年)
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