
新型インフルエンザとは

感染症を知ろう
注意すべき病原体

1968年にアメリカ オハイオ州 ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者の糞便から初めて見つかり、発見された土地の名前にちなんで「ノーウォークウイルス」と呼ばれていました。1970年代に入り、電子顕微鏡の発達により形態が明らかになり、その形から「小型球形ウイルス」と呼ばれるようになりました。その後2002年に「ノロウイルス」と命名されて今日に至っています。
ノロウイルスは直径約3万分の1mmの小型のウイルスです。アルコール等の消毒薬に抵抗性をもち、感染力が強いので、十分な衛生管理が必要なウイルスの1つです。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎について
2006年から、ノロウイルスによる食中毒は急増しています。ノロウイルス感染は冬季の発生が主流ですが、最近では年間を通して全国的に報告されています。
2007年の全国食中毒発生件数は1,289件、患者数は33,477名報告されています。その中で、ノロウイルスによる感染性胃腸炎は344件発生しており、カンピロバクター・ジュジュニ/コリに次いで発生原因別で2位となっています。一方、患者数は18,750名で1位となっており、感染すると集団発生することがわかります。
ノロウイルスに感染すると
ノロウイルスの潜伏期間は1日~2日で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、その他の症状として、腹痛 頭痛 発熱 悪寒 筋痛 咽頭痛 倦怠感を引き起こすと言われています。一般的には2~3日で回復し、経過は比較的良いのですが、抵抗力の衰えた高齢者では脱水症状や体力の消耗により重篤化し、時には死に至る事もあります。症状回復後でも1~2週間、まれに1ヶ月に亘り糞便中にウイルスを排出し続けます。そのため、二次感染にも注意が必要となります。
主な感染経路は
ノロウイルスの感染経路としては、以下の3通りの経路が知られています。
- ノロウイルスに汚染された生牡蠣や貝類を十分に加熱しないで食べた場合。
- ノロウイルスに感染した人が、十分に手を洗わずに調理をすることで、食品が汚染され、その食品を食べた場合。
- ノロウイルスを含む糞便や嘔吐物を処理した後、手についたウイルスや不適切な処理で残ったウイルスが口から取り込まれた場合。
衛生管理は?
ノロウイルスは、少量(数10個~100個程度の摂取)で感染し、感染性胃腸炎を引き起こすといわれています。それに対して、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかった人の嘔吐物の中には約1万~10万個/g、糞便の中には約10億個/gが含まれていると言われています。ノロウイルスに汚染された食品や器具、感染した人などを感染源として、容易に感染が広がることが予測できます。
感染症対策するには、まず、ウイルスを口に入れないことが重要です。ウイルスを口に入れないための有効な手段は主に3つ。手洗いやうがいを頻繁に行うこと、調理において加熱を十分(85℃、1分間以上)に行うこと、そして、調理場や調理器具でのウイルス除去をしっかりと行うことです。
ただし、エタノールや逆性石けんは効き難いといわれています。適切な手法でウイルス除去を行うことが、感染を防ぐことにつながります。
現在、このウイルスに効果のある抗ウイルス剤はありません。ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかったときの治療は、痛み止め、下痢止めの薬(腸の動きを止めないもの)や、整腸剤の投与、脱水症状のひどい場合に輸液を行うなどの対症治療になります。
症状が改善後もしばらくの間、糞便中にウイルスを排出するので、排泄後のトイレのウイルスの除去、手洗いの励行が必要です。