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ノロウイルス感染症

ノロウイルスに感染すると、激しい下痢や嘔吐などを症状とする感染性胃腸炎を引き起こします。
1968年にアメリカ オハイオ州 ノーウォークという町の小学校で集団発生した急性胃腸炎の患者の糞便から初めて見つかり、発見された土地の名前にちなんで「ノーウォークウイルス」と呼ばれていました。1970年代に入り、電子顕微鏡の発達により形態が明らかになり、その形から「小型球形ウイルス」と呼ばれるようになりました。その後2002年に「ノロウイルス」と命名されて今日に至っています。
ノロウイルスは直径約3万分の1mmの小型のウイルスです。アルコール等の消毒薬には効きにくく、感染力が強いので、十分な衛生管理が必要なウイルスの1つです。
ノロウイルス感染症の発生状況
ノロウイルス感染は、例年12月と1月をピークに冬季の流行が主流ですが、最近では年間を通して全国的に報告されています。最近では、2006年にノロウイルスによる食中毒発生件数が急増し、その後、恒常的に発生しています。
今シーズンは、2010年11月末までの発症者数が前年の2~10倍と大きく上回るため、流行拡大が懸念されています。
ノロウイルスによる食中毒月別発生状況
この2,3年間の全国の食中毒発生報告では、細菌による食中毒の発生件数が約50~60%、ノロウイルスによる食中毒の発生件数は約20~30%で、細菌性の食中毒の方が多く発生しています。 一方、患者数では、全患者数のうちノロウイルスによるものは50%前後で、細菌による患者数(約30~40%)を上回っています。 ノロウイルスによる感染は、感染すると集団発生する可能性が高いことがわかります。
原因物質別 食中毒発生状況
主な感染経路は

ノロウイルスの感染経路としては、以下の3通りの経路が知られています。

1. ノロウイルスに汚染された生牡蠣や貝類を十分に加熱しないで摂取した場合。
2. ノロウイルスに感染した人が、十分に手を洗わずに調理をすることで、食品が汚染され、その食品を摂取した場合。
3. ノロウイルスを含む糞便や吐しゃ物を処理した後、手についたウイルスや不適切な処理で残ったウイルスが口から取り込まれた場合。

ノロウイルスは、汚染された食品や 便・吐しゃ物に接触した手を介して感染する「接触感染」、吐しゃ物などからの飛沫を吸入して感染する「飛沫感染」、吐しゃ物や下痢便の処理が適切に行なわれなかったために残存したウイルスを含む小粒子が空気中に舞い上がり吸入して感染する「空気感染」により、人から人へ感染していきます。

ノロウイルス 主な感染経路


ノロウイルスに感染すると
乳幼児から高齢者までの広い年齢層で急性胃腸炎を引き起こします。
ノロウイルスの潜伏期間は1日~2日で、主症状は吐き気、嘔吐、下痢、その他の症状として、腹痛 頭痛 発熱 悪寒 筋痛 咽頭痛 倦怠感を引き起こすと言われています。一般的には2~3日で回復し、経過は比較的良いのですが、抵抗力の衰えた高齢者では脱水症状や体力の消耗により重篤化し、時には死に至る事もあります。
症状回復後でも1~2週間、まれに1ヶ月に亘り糞便中にウイルスを排出し続けます。そのため、二次感染にも注意が必要となります。
また、感染しても発症しない場合(不顕性感染)があり、このような感染者からの感染拡大に注意が必要です。
ノロウイルスに感染すると
衛生管理は
■病原体の特徴
ノロウイルスは、ウイルスの外側を覆うエンベロープ(外皮膜)をもたない小さいウイルスです。このような構造のウイルスは丈夫なウイルスで、環境中においても比較的強く、消毒剤や除菌剤によっては効かない場合があります。
ノロウイルスには多数の遺伝子型があり、かつ変異しやすいため、同じ人が何度も感染することがあります。
ノロウイルスは小腸粘膜の上皮細胞でのみ感染、増殖する局所感染を起こします。そのため、感染した人での免疫は短期間でなくなると考えられています。
ノロウイルスは、少量(数10個~100個程度の摂取)で感染し、感染性胃腸炎を引き起こすといわれています。それに対して、ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかった人の吐しゃ物の中には約1万~10万個/g、糞便の中には約10億個/gが含まれていると言われています。ノロウイルスに汚染された食品や器具、感染した人などを感染源として、容易に感染が広がることが予測できます。
■予防と治療
現在、ノロウイルス予防のワクチン、治療のための抗ウイルス剤はありません。ノロウイルスによる感染性胃腸炎にかかったときの治療は、痛み止め、下痢止めの薬(腸の動きを止めないもの)や、整腸剤の投与、脱水症状のひどい場合に輸液を行うなどの対症治療になります。
■感染対策
日頃の感染対策
ノロウイルスに対する感染対策としては、ウイルスを口に入れないことが最も重要です。ウイルスを口に入れないための有効な手段は主に3つです。
帰宅時に正しい手洗い・うがい、
食事前やトイレの後には正しい手洗いを行う
手洗い、うがい

→正しい手洗いはこちら  →正しいうがいはこちら

十分に加熱した(85℃、1分間以上)食品を摂取する
十分な加熱調理

調理場や調理器具、共有で使用する箇所での
ウイルス除去を行う

消毒剤・除菌剤によっては効き難いものがあります(エタノールや逆性石けんなど)。適切な手法でウイルス除去を行うことが、感染を防ぐことにつながります。

ウイルス除去

感染者に対する対策
ノロウイルスは感染力が強く、人から人へ感染しやすいため、感染拡大を最小限にするための感染対策が必要です。自分自身や周囲に下痢や嘔吐などのノロウイルス感染症様の症状がみられる場合には、糞便や吐しゃ物を感染源として感染していくため、これらを中心に感染対策を行いましょう。
頻繁に正しい手洗いとうがいを行う

ノロウイルスは糞便や吐しゃ物と共に排出され、排便時、嘔吐時、それらを処理する際に皮膚に付着します。
正しい手洗いとうがいで、ウイルスが皮膚に残らないようにしましょう。
手指用の消毒剤を併用することも効果的です。

ウイルス除去

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吐しゃ物や糞便、乳児や高齢者のオムツは適切に処理する

吐しゃ物や糞便にはウイルスが大量に含まれており、乾燥してしまうと浮遊して空気感染を起こします。ノロウイルスに効果のある消毒剤・除菌剤でウイルス除去すると共に、吐しゃ物や糞便が乾燥する前に取り除くことがポイントです。


  • ウイルス除去
    1. 処理する人はガウン(エプロン)を着用し、使い捨て手袋とマスクを着用してください
  • ウイルス除去
    2. 紙ペーパーや新聞紙などでおおいます
  • ウイルス除去
    3. まんべんなく消毒剤や除菌剤をスプレーします

  • ウイルス除去
    4. 紙ペーパーごと静かに汚れを包み取ります
  • ウイルス除去
    5. 吐しゃ物が付着した床とその周囲にまんべんなく消毒剤や除菌剤をスプレーします
  • ウイルス除去
    6. 布か紙ペーパー等で拭き取り、しっかりと水拭きを行います

  • ウイルス除去

  • 拭き取った吐しゃ物、使用後の紙ペーパー、新聞紙、布、手袋等は、すぐにビニール袋に入れ密封して廃棄します



汚染箇所のウイルス除去をしっかりと行う

● 衣類、リネン


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    1. 処理する人はガウン(エプロン)を着用し、使い捨て手袋とマスクを着用します。
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    2. 汚染した衣類やリネンから糞便や吐しゃ物を取り除く。
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    3. 洗剤を入れた水の中で静かにもみ洗いします。
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    4. 適切な消毒剤や除菌剤を使ってウイルス除去を行う。

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  • 十分すすぎ、高温の乾燥機などを使用すると殺菌効果は高まります。

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  • 布団などすぐに洗濯できない場合は、よく乾燥させ、スチームアイロンや布団乾燥機を使うと効果的です。


● 入浴

感染者はできるだけ入浴を避けましょう。入浴する場合は最後に入浴し、入浴後すぐに、浴槽や浴室内を適切な消毒剤や除菌剤を使ってウイルス除去します。

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● 共有で使用する箇所
感染者が接触する箇所は、こまめにウイルス除去しましょう。

トイレ ドアノブ 水道蛇口 電気スイッチ 階段手すり 食器

早めに治療する

下痢や嘔吐が長く続くことはウイルスを排出し続け、感染拡大につながります。
ウイルスの排出を抑えるためにも、早めに治療して症状を改善しましょう。

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症状改善後2週間程度は、手洗いの励行とウイルス除去を行う

症状が改善後しばらくの間、糞便中にウイルスを排出し続けます。排泄後のトイレのウイルスの除去、手洗いの励行が必要です。

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情報収集(外部へのリンク集)
■ 基本情報

■ 感染状況の確認

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