新型インフルエンザの治療薬としては、季節性のインフルエンザの治療薬に使われている抗インフルエンザ薬のノイラミニダーゼ阻害薬が有効であると考えられています。
ノイラミニダーゼ阻害薬は、感染した細胞とウイルスを切り離す酵素ノイラミニダーゼ(NA)の働きを阻害して、感染した細胞から増殖したウイルスが出て行くのを阻止します。経口内服薬のリン酸オセルタミビル(商品名 タミフル)と経口吸入薬のザナミビル(商品名 リレンザ)があります。
通常、これらは、医師の処方により販売または授受される医薬品であるため、「処方箋」なしでドラッグストアや薬局などで購入できる医薬品ではありません。新型インフルエンザの発生に備えて、国や都道府県では、タミフル及びリレンザの備蓄を行っています。
新型インフルエンザの発症予防や重症化防止のためにはワクチンがあり、プレパンデミックワクチンとパンデミックワクチンがあります。
プレパンデミックワクチンとは、新型インフルエンザウイルスが発生する前に、鳥インフルエンザウイルス
を基に製造されるワクチンです。新型インフルエンザに対してある程度まで効くと期待されていますが、パ
ンデミックワクチンと比べて効果は確実とはいえません。国は現在流行している鳥インフルエンザウイルス
(H5N1)に対するワクチンをプレパンデミックワクチン原液として製造、備蓄しています。
パンデミックワクチンとは、実際に流行している新型インフルエンザウイルスを基に製造されるワクチンです。プレパンデミックワクチンと異なり、ワクチンの効果はより高いと考えられています。
ただし、このワクチンは実際に新型インフルエンザが発生しなければ製造できないため、現時点での製造、
備蓄はできません。製造するまで、新型インフルエンザウイルスが発見されてから少なくとも6ケ月かかり、
発生時にはすぐに使うことはできません。
また、季節性のインフルエンザの予防接種しているワクチンは、新型インフルエンザと異なる亜型に対す
るワクチンであるため、効果はほとんど期待できません。