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「口が渇く成分」について

薬局薬店で販売されている多くの下痢止め薬には、「口が渇く成分」が配合されているものがあります。 代表的な成分はロートエキスと呼ばれるもので腸管の動きを抑え、腹痛を改善する薬効がある以外に、口の渇き(注1)眼圧の上昇(注2)心拍数の増加(注3)排尿障害(注4)等の副作用が発現する恐れがあります。 また、当社製品に類似する製品にはロートエキスが配合されているものがあります。 お求めになった薬剤に関しては配合薬成分をご確認いただき、添付文書を参照の上、ご使用ください。

「ロートエキス」とは?

ロートコンから抽出され、総アルカロイド:0.9~1.09%含むものです。アルカロイド中のヒヨスチアミン、アトロピン(dl - ヒヨスチアミン 注5)、スコポラミンには多くの薬理活性の報告があります。また、ロートエキスは劇薬指定成分で、一般用医薬品の胃腸薬承認基準では1日量60 mg以下配合で劇薬指定除外となります。

服用に注意を要するロートエキス

ロートエキスは副交感神経の働きを抑制する(副交感神経遮断薬)ために、副交感神経が支配している臓器にいろいろな影響を及ぼします。

[一般用医薬品における注意]

一般用医薬品においてロートエキスを配合すると、添付文書に「使用上の注意」として下記の項目を追記することとされています。

使用上の注意事項

(1)【してはいけないこと】
(守らないと現在の症状が悪化したり、副作用が起こりやすくなる)

  本剤(ロートエキス製剤)を服用している間は、次の医薬品を服用しないこと:
胃腸鎮痛鎮痙薬
  授乳中の人は本剤(ロートエキス製剤)を服用しないか、本剤(ロートエキス製剤)を服用する場合は授乳を避けること
→  母乳に移行して乳児の脈が速くなることがある。

(2)【相談すること】

  次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談すること
  • ・ 妊婦又は妊娠していると思われる人
    →  胎児に頻脈等があらわれることがある。
  • ・ 本人又は家族がアレルギー体質の人
  • ・ 薬によりアレルギー症状を起こしたことがある人
    →  配合成分によりアレルギー性の副作用があらわれるおそれがあるものに設定されている。
    医薬品の配合成分の中には人によりアレルギーを起こすおそれがある成分も配合されていることがあるので、特にアレルギー体質の人や過去に薬でアレルギー症状の既往歴のある人は注意する必要がある。
    本人又は家族がアレルギー体質の人は、アレルギーを起こしやすいので、素人判断で薬を選ばないで専門家に相談し、その指示によって服用すべきである。
    また、薬によりアレルギー症状を起こしたことのある人はアレルギーを起こした薬剤並びにその類縁の薬剤を避けて服用する必要がある。
    一般にアレルギー体質とは蕁麻疹、かぶれ、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、扁頭痛、食物アレルギーを起こしやすい体質のことを言い、アレルギー症状の初期段階では発熱、発疹、関節痛、ぜんそく、かゆみ等があらわれることが多い。
  • ・ 次の症状困難
    尿管、膀胱の収縮を抑制するが、膀胱括約筋を収縮させる傾向にあり、排尿困難があらわれることがある。
    理由:副交感神経遮断作用により排尿筋の弛緩と括約筋の収縮が起こり尿の貯留を来たすおそれがあり、さらに前立腺肥大が伴っている場合には尿閉があらわれるおそれがある。
  • ・ 次の診断を受けた人:心臓病、緑内障
    心臓に対する副交感神経刺激は、主に拍動の減少を示し、副交感神経遮断薬(ロートエキス)はこれを抑制して、心拍数を上げるように働く。
    少量の副交感神経遮断薬は、一過性の徐脈をきたす。
    瞳孔括約筋弛緩による散瞳、毛様体弛緩による調節障害、眼圧上昇があらわれることがある。
    理由:交感神経刺激作用により心臓に負担をかけ、心臓病を悪化させるおそれがある。
  次の場合は直ちに服用を中止し、添付文書を持って医師又は薬剤師に相談すること。
服用後、次の症状があらわれた場合
関係部位
症状
皮ふ
発疹・発赤、かゆみ
発疹等のアレルギー症状があらわれることがある。
  次の症状があらわれることがあるので、このような症状の継続又は増強が見られた場合には、服用を中止し、医師又は薬剤師に相談すること。
  ・ 口のかわき
唾液分泌の減少により、口渇があらわれることがある。

(3)【その他の注意】

  母乳が出にくくなることがある
 
ロートエキスの成分が母乳分泌を抑制することから、【その他の注意】の項に記載し、使用者への情報提供を行うこととした。
なお、【してはいけないこと】の項にも授乳に関する注意事項が併せて記載されている。
(第三版 一般用医薬品使用上の注意事項―解説―; 編集:日本大衆薬工業協会 薬効委員会 情報表示部会, 発行所:株式会社じほう, 2003年)

注1:口の渇き
ロートエキスによる副交感神経遮断作用は全身に影響が現れます。その作用の一つとして唾液の分泌を抑えるため「口が渇く」ことがあります。この症状は口腔乾燥症、またはドライマウスともいわれ、最近では眼に現れる「ドライアイ」同様、徐々に注目されています。患者数は国内で800万人といわれています。

注2:眼圧の上昇
緑内障の方は眼圧が上昇するおそれがありますので注意が必要です。
緑内障の最新調査では、40歳以上の17人に1人が緑内障というデータが出ています。しかも、発症の初期段階では自覚症状がほとんどないため、受診が遅れがちで、国内の潜在患者数は500万人程度と推定され、治療中の人は1割に過ぎないといわれています。

注3:心拍数の増加
副交感神経を刺激すると、主に心臓の拍動の減少を示します。逆に、副交感神経を遮断すると心拍数の増加に働きます。このため、胎児または新生児に脈がはやくなること(頻脈)が考えられます。特に授乳中の方は服用してはいけないこととされています。
同様に心臓病の方は症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。
うっ血性心不全、不整脈のある方も注意が必要です。

注4:排尿障害
ロートエキスは、副交感神経を遮断するため排尿困難があらわれることがあります。特に、前立腺肥大の方は排尿困難の症状が現れることがありますので注意が必要です。
前立腺肥大症は加齢とともに増え、特に50歳以上になると多く、50歳以上の3,4人に1人が患者とも言われています。これは加齢によるホルモンバランスの変化が関与しているといわれています。「排尿時の尿の出が弱い」、「尿を出したくてもなかなか出ない」、「排尿の時間が長くなった」という方は要注意です。

注5:dl - ヒヨスチアミン
旋光度がd - 右旋性とl - 左旋性の光学異性体が混在している物質

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