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病原体:寄生虫とは

寄生虫とは、人や動物の表面や体内にとりついて(寄生して)食物をせしめる生物のことをいいます。寄生される人や動物を宿主といい、寄生虫は宿主なしでは生きていけません。そして、寄生虫は宿主に害を及ぼす場合があり、この感染症を「寄生虫症」といいます。
第2次世界大戦後の日本では多くの人(60%前後が回虫(かいちゅう)、5%前後が鉤虫(こうちゅう)に感染)が寄生虫に感染していました。その後、農業での化学肥料の導入、下水道の整備や水洗便所の普及などの衛生的な生活、検査や駆虫薬などの対策によって、感染者は非常に少なくなり、今では寄生虫を知らない人も増えています。
最近、グルメブームによる生の食品や輸入食品・自然食品の摂取、海外旅行の増加、ペットブーム、海外からの輸入増加などによって、寄生虫症が増えてきているといわれています。
寄生虫の分類
人につく寄生虫は、世界では約200種類、日本では約100種類記録されており、原虫と蠕虫(ぜんちゅう)の2つに分類されます。その他に体表に寄生したり感染を媒介するノミ、シラミ、ダニなどの動物(衛生動物)も寄生虫に含まれます。
原虫は1つの細胞(単細胞)からできていて、非常に小さく顕微鏡でないと見ることができません。
一方、蠕虫は多くの細胞(多細胞)からできていて、人の眼で見ることができる寄生虫です。

寄生虫の分類

寄生虫の形態別分類

分類

特徴

 

原虫

根足虫類

形を自由に変えて動くアメーバ 赤痢アメーバ、多食アメーバ

鞭毛虫類

運動するための長い毛 (鞭毛)をもつ トリパノソーマ、ランブル鞭毛虫、
膣トリコモナス

胞子虫類

運動機能はなく、分裂による無性生殖や有性生殖で胞子を形成する マラリア、クリプトスポリジウム、
肉胞子虫、トキソプラズマ

有毛虫類

細かい毛(繊毛)をもつ 大腸バランチジウム、
ヒトブラストシスチス

蠕虫

線虫類

線状、円柱状で細長い
回虫 : 回虫(ヒト回虫)、ブタ回虫、
イヌ回虫、ネコ回虫、
アニサキス
蟯虫
円形線虫: ズビニ鉤虫、アメリカ鉤虫、広東住血線虫
桿線虫: 糞線虫
旋尾線虫 : 有棘顎口虫、剛棘顎口虫、ドロレス顎口虫、
日本顎口虫
東洋眼虫
旋尾線虫
バンクロフト糸状虫、
イヌ糸状虫
鞭虫、旋毛虫

吸虫類

体が扁平で、2つの吸盤をもつ
プラギオルキス: 肝吸虫、横川吸虫、ウェステルマン肺吸虫、宮崎肺吸虫
棘口吸虫: 浅田棘口吸虫、肝蛭、巨大肝蛭
有襞吸虫: 日本住血吸虫、マンソン住血吸虫、ビルハルツ、住血吸虫、ムクドリ住血吸虫

条虫類

体が扁平で長く、種類によって3個から数千個の節にわかれている一般にはサナダ虫といわれる
擬葉目: 日本海裂頭条虫、広節裂頭条虫、大複殖門条虫、
マンソン裂頭条虫
円葉目: 無鉤条虫、有鉤条虫、
多包条虫(エキノコックス)、
単包条虫(エキノコックス)

その他

  鉤頭虫類、鉄線虫類

衛生
動物

人の体表に寄生、感染を媒介、毒物によって危害を及ぼす カニ、ダニ、蚊、ノミ、シラミ、ブユ、ハエ
寄生虫の感染経路
病原体となる寄生虫によって、感染経路や感染部位はさまざまです。
最も多いのは口から感染する経口感染です。生の魚介類や肉類、生野菜の摂取で起こります。飲料水から原虫に感染することもあります。また、ペットに寄生している寄生虫から感染することもあります。
昆虫に刺されて感染する刺咬感染は、蚊、ハエ、ノミなどが媒介します。ハマダラカによるマラリア感染はサハラ砂漠以南のアフリカでは多くの人が感染しています。
皮膚から直接感染する経皮感染もあり、川や湖、土壌を裸足で歩くことで皮膚から幼虫が侵入してくる場合です。
性行為で感染する膣トリコモナス、ケジラミなどもあります。ケジラミは、入浴や毛布やタオルなどを介して、間接的に感染することもあります。

寄生虫の感染経路

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