社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

顔写真の公開と万引き対策

2014年8月19日

今回は、ある古書店が、万引き犯と思われる人物の顔写真を公開しようとした問題と万引き対策について、書いていきます。

この話は多くの報道でも取り上げられたので、ご存知の方も多いと思いますが、ある古書店が、同店で販売していた25万円相当のブリキ玩具を盗んだ犯人に対し、犯人と思われるモザイク入りの顔写真を公開したうえで、期限内に商品を返さなければ、顔写真を全面公開すると警告しました。

その後、警視庁より顔写真の全面公開をやめるよう異例の要請があり、結局、期日を過ぎても商品の返還はありませんでしたが、同古書店から犯人と思われる人物の顔写真が全面公開されることはありませんでした。

そうした中、本日、被疑者は逮捕され、ブリキ玩具も店側に返還されるようです。

ということで、事件は一応無事解決といったところですが、今回の古書店の対応につき、ある弁護士や刑法学者は、犯人と思われる人物に対する名誉棄損罪や脅迫罪にあたる、店側の対応は心情的には理解できるが、自力救済(法的手続きに則らず、自ら盗品を回収すること)を認めていない現行法のもとではやむを得ないと述べるなど店側の対応には批判的のようです。

(警視庁が顔写真の公開をやめるよう異例の要請をしたのは、捜査に支障が出るというのが表向きの理由ですが、店側の対応が法に触れる可能性があることを考慮したものだったのかもしれません。)

ただ、ある情報では、万引きによる推計被害総額は約800億円以上とするものもありますし、警察官も数は多いとはいえ、様々な事件を抱えている中では、全ての窃盗事件を解決することは難しいでしょう。

そういう意味で、比較的万引きの被害に遭いやすい今回のような古書店においては特に、万引きを防ぐための対策は重要な課題だと思います。

では、万引きを防止するためにどのような対策が有効なのでしょうか。

第一にはやはり「防犯カメラ」の設置。設置しているのであれば、その増設です。

報道からの情報では、ある小売店で、防犯カメラを増やしたところ、万引き被害が減ったというところもあるそうです。

また、実際には作動していないダミーカメラを置いているだけで、泥棒は入りにくいということもあるようです(明らかにダミーだと分かるものは効果はないようですが)。

さらに、神戸市のある自転車置き場で、人間の「眼」をアップした写真を張り付けた看板を設置したところ、自転車の盗難が減ったそうです。

このようにまずは「しっかり監視をする」ことが重要だと思います。

しかもこの「防犯カメラの増設」は、犯人逮捕にも重要な意味を持ちます。

つまり、防犯カメラを増設をし、様々な角度から犯人の顔をとらえることができれば、それだけ捜査機関にも犯人の正確な情報を提供することができ、それはつまりは犯人の早期逮捕にもつながります。

そして、第二の策としては、店内で怪しい行動をする人に「声掛け」をすることも有効であると考えます。

今のご時世、店内を見ている人に店員から声をかけられるのは余り好まれませんし(私も声を掛けられるのは苦手です)、声掛けをするタイミングも難しいとは思いますが、声掛けされることで、犯行を思いとどまることもあるでしょうし、犯人に対し、自分が監視されていることを認識させることにもなります。

(ちなみに、ある地域ではボランティア等による防犯パトロールを実施しているところもありますが、その目的は「犯罪者に犯行の機会を与えない」ということのようで、店内における「声掛け」もこれと同様の効果があると思います。)

以上、万びき対策として2つほど紹介させていただきましたが、それ以外にも対策は数多く存在すると思います。

大事なことは、しっかり犯人を監視すること、監視しているぞと犯人に思わせることが重要なのだと思います。

その上で、実際に盗難被害に遭った場合には、速やかに警察に通報し、持っている証拠をすべて提供する等警察による犯人早期確保のために全面的な協力をすることが肝要だと思います。

ともあれ、今回のエピソードは、法治国家の下での万引き対策、そして万引き犯の確保がいかに難しいかを物語るものだと思いました。

(今回被疑者が比較的早期に逮捕されたのは、被疑者が盗品を売却しようとしたことで警察に重要な手がかりを与えたことが大きな要因ですが、今回の古書店の対応が話題となり、捜査の優先順位が上がったことで、早期逮捕につながったのかもしれません。)

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