社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

タイ総選挙と民主主義

2014年2月 4日

今回は、混乱が続くタイ国総選挙と民主主義について、語っていきます。

下院議員(日本でいえば衆議院議員に相当します)の総選挙が行われたタイ国では、依然混乱が続いていることは皆さんご承知のことかと思います。

2月2日夜の報道によれば、全国375ある小選挙区のうち、約2割にあたる69の小選挙区で反政府勢力の妨害活動により投票ができない投票所があり、そのうちの28選挙区では、立候補受け付けを阻まれ候補者がゼロとなり、投票以前にそもそも選挙すらできない状況だったようです。

これにより、妨害のなかった投票所での開票結果を集計したとしても、議会を開会できる定足数まで議員を確定させることができず、(立候補者がゼロだった選挙区での)再選挙及び再投票が終了する4か月から6か月先まで、同国における政治的混乱は引き続き継続することになります。

(報道によれば、同国の法律では、議席の95%以上が確定していなければ議会を開くことができないことになっているそうです。)

ではなぜ反政府勢力はこのような妨害行為に及んだのでしょうか。

この点、報道から分かることは、今回の選挙は、現政権が下院の解散総選挙を決定したことから行われたものですが、このまま選挙をしても反政府勢力や野党に勝ち目がなく、現政権を退陣に追い込むことが困難との計算から、選挙をボイコットした上で、今回の妨害行為に踏み切ったようです。

現政権も約14万人もの警察や軍を用いて妨害行為の防止に努めたようですが、結局、反政府勢力の思惑通り、今回の妨害行為により、全ての議席が確定せず、最長半年先まで議会を開けないという異常な事態に陥ってしまいました。

(同国の選挙管理委員会の発表によれば、現時点の開票結果すら公表できない状況のようです)。

今回のタイ国での事態は、現政権を支持する側と反対する側の根の深い対立が背景にあり、また、そもそも反対派は、選挙制度自体を、選挙買収がはびこっている現状では実施しても意味がないとして、信頼していないきらいがあります。

しかしながら民主主義の国において、選挙で物事が決められないとしたら、一体どうやって物事を決めていけばよいのでしょう。

それは「暴力」に訴えざるを得ないのではないでしょうか。

(現に同国ではそう遠くない過去に、軍事クーデターにより政権が発足したこともありました)。


ところで、今回のタイ国における事態、日本でも全く起こらないと断言できるでしょうか。

仮に選挙に勝って政権を取った側に大規模な選挙違反があり、それを検察が政権と結託して取り締まらない結果、その違反状況が長年続いた場合、我々国民は選挙というものを全く信頼しなくなってしまいます。

そうなれば、国民は選挙に行かなくなりますし、野党も、立候補を立てて有権者に支持を訴えるのがバカらしくなって選挙をボイコットし、投票行為を妨害するようになるかもしれません。

そういった意味で、日本でも、タイ国での事態が全く起こらないとは断言できないと思います。

そうならないためにも、選挙は公正に行われることが重要であり、選挙のルールに違反した場合には厳しく罰せられることが非常に重要なのだと考えます。


タイ国は、昨今経済成長が著しく、多くの日本の企業が同国に進出しています。

また親日の国でもあり、皇室をはじめ日本とも縁の深い国です。

今回の同国での事態を他山の石としつつ、タイ国国王をはじめ同国民の英知と知恵により、今回の混乱が一刻も早く収束するよう祈るばかりです。

(現在東京都知事選の真っ最中で、近々に大阪市長選も行われる予定のようですが、1票を投じれることに感謝しつつ、投票したいものです。)

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