社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

9月20日の判決について

2012年9月25日

今回は、先日9月20日に出されました、当社が昨年10月に提訴した「セイロガン糖衣A」に係る裁判の判決について、語っていきます。

昨年10月6日、当社はキョクトウ㈱が製造販売した『正露丸糖衣「キョクトウ」』に対し、
当社『セイロガン糖衣A』に類似するとして、不正競争防止法に基づき、製造販売の差し止めや損害賠償を求め、大阪地方裁判所に提訴しました。

そしてその判決が先日9月20日に出され、当社の請求は棄却されました。つまり当社敗訴の判決が出されたのです。

当社はこの判決を不服とし、即日、大阪高等裁判所に控訴いたしました。

当社はこれまで、様々な証拠を提出し、当社の正当性を主張してまいりましたが、結果的に当社の主張が認められず、驚くとともに、大変遺憾に思っています。

それではここで、判決の内容について説明したいと思います。

まず本事件の主な論点は、①当社の「セイロガン糖衣A」という表示が周知著名、つまり全国的に有名な表示であるかという点(周知著名性)と、②キョクトウ製品の表示と当社製品「セイロガン糖衣A」の表示が同一ないし類似しているか(類似性)の2点です。

そして当社は上記②の類似性を主張立証する際、キョクトウ製品の表示は「正露丸糖衣S」であるとし、その上で「セイロガン糖衣A」(セイロガントーイエー)と「正露丸糖衣S」(セイロガントーイエス)とは称呼(呼び方)が非常に似ている、「正露丸糖衣S」と「セイロガン糖衣A」とは外観(パッケージデザイン)においても多数の類似点があると主張していました。

これに対し、相手のキョクトウ㈱はこの製品の販売名が『正露丸糖衣「キョクトウ」』であること等から、キョクトウ製品の表示は「正露丸糖衣S」ではない、外観においても類似していないと主張していました。

これらの当社及びキョクトウ㈱の主張に対し、判決は、キョクトウ製品の表示は「正露丸」「糖衣」「S」の各文字が記載されているものの、これらは文字の大きさ、字体、色が異なり、明確に分けて記載されていることは明らかであるとし、一連一体の「正露丸糖衣S」という表示ではないと判断しました。

そしてこのような考えから、キョクトウ製品の称呼(呼び方)についても、「セイロガントーイエス」ではないとして、『セイロガン糖衣A』との類似性を否定したのです。

この点、一部には、文字の大きさ、字体、色が異なることから『セイロガン糖衣A』と類似しないと判断したとの報道もあるようですが、この理由付けはキョクトウ製品と当社製品の比較のために使用されたものではなく、「正露丸」「糖衣」「S」が一連一体の表示ではなく、別々の表示であることを理由付けるために用いられているものです。

それはともかく、今回の判決の「正露丸」「糖衣」「S」が明確に分けて記載されているとの判断は全く不服であり、この点はしっかり控訴理由書等で反論していきたいと思っています。(仮に今回の表示が「S」ではなく、「A」の場合も同様の判断が下されるのでしょうか。このような判断が是認されるのであれば、当社「セイロガン糖衣A」ブランドは全く守られなくなってしまいます!!)

なお、上記①の周知著名性については、今回は全く触れられることはありませんでした。

この点も全く不服です。論理的には「セイロガン糖衣A」が周知著名な表示であることを前提に、キョクトウ製品との類似性を判断することが筋だと思いますが(そもそも周知著名な表示でないものとの類似性を検討しても意味がありません)、今回の判決は「セイロガン糖衣A」が周知著名であることには全く触れずに、類似性の判断をしています。この点についてもしっかり反論していきたいと思います。

また今回の判決では当社の「ラッパのマーク」に相当するものがキョクトウ製品にはないことから類似性を否定したかのような報道も一部にありましたが、当社の理解はそうではありません。

今回の判決は「ラッパのマーク」だけでなく、ロゴ化された「セイロガン糖衣A」という表示にも自他商品識別機能、つまり自社製品と他社製品とを区別する指標(目印)となる機能を認めており、他方でキョクトウ製品にはこれら自他商品識別機能を有する表示がない、つまり比較対象となる表示がなかったことから、類似性を否定したのだと理解しています。

ところで、そもそも今回の判決は「正露丸」が普通名称であること、そして「正露丸」の名で医薬品を製造販売する他社が多数存在していることから論を進めています。

しかしながら今回問題となっている製品は『正露丸』ではなく、『セイロガン糖衣A』であり(相手の製品も『正露丸』ではなく、『正露丸糖衣』です)、「正露丸」が普通名称かどうかは今回の争点とは直接の関係はありません。

先ほども述べました通り、今回の判決は類似性の判断の大前提である「セイロガン糖衣A」が周知著名な表示であるかどうかについては判断しませんでした。

にもかかわらず、本件とは直接関係のない、「正露丸」が普通名称であるかどうかという論点をあえて持ち出しています。

この問題設定についても当社としては全く納得できません。

以上の通り、今回の判決は、様々な点において反論すべき点が多々あります。

『セイロガン糖衣A』を愛してくださっている消費者の皆様のため、これまで大切に育ててきた「セイロガン糖衣A」ブランドを守るべく、今後、控訴審において全力を尽くしてまいります!!

表示

[カテゴリー:,]

< サクラサク事件 記事一覧 アンケート結果について >

y[Wgbv