社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

アップルVSサムスン事件

2012年8月28日

今回は、スマートフォンに関する特許をめぐる米アップルと韓国サムスン電子との裁判を通じて、アメリカの陪審制について語っていきたいと思います。

皆さんもスマートフォンに関する特許に関し、米アップルと韓国サムスン電子が裁判で争っていることについては、ご存知の方も多いと思います。


報道によれば、同社らは、上記の特許侵害をめぐり、10カ国・地域で裁判をしているそうです。


そして先日、米アップルのお膝元であるアメリカにおいて、サムスンの特許侵害を認め、同社に日本円で約826億円の支払いを命じる評決が下されました。


今後の焦点は、アメリカにおけるサムスン製のスマートフォンの販売を禁止する命令が下されるかどうかにかかっているそうです。


ところで、先ほど私は、「評決」が下されたと述べましたが、よく日本で聞く「判決」とは述べていません。


これはアメリカでは民事事件において「陪審制」、つまり裁判官ではなく、「一般の市民による陪審団(12名)」が「事実認定」や「損害賠償額」を決定する制度をとっているからです(陪審員が下す判断は「評決」と呼ばれています。ちなみに、特許侵害品の販売禁止を命ずることは陪審員ではできず、裁判官のみになります)。


日本では最近、一部の刑事事件において「裁判員制度」が導入され、当該刑事事件の事実認定や量刑(刑の重さ)を決定するのに、裁判官とともに、一般の市民が参加する制度が開始されましたが、民事事件ではこのような制度は採られておらず、裁判官のみによって、事実認定や損害賠償額等が決められます。


しかもアメリカの「陪審制」は日本の「裁判員制度」と異なり、事実認定と損害賠償額を決定するのに、裁判官が参加することはなく、陪審員のみで議論(評議)されます(日本の「裁判員制度」はその議論(評議)に裁判官が必ず加わります)。


よってアメリカでは、まさに「大どんでん返し」の判断がなされたり、非常に多額の損害賠償金の支払命令が下される場合もあるようです。


今回のアメリカにおける評決は、一方ではアメリカを代表する企業であるアップル、他方はそのアップルのシェアを脅かしている韓国企業のサムスンですから、この辺りの事情も結論に影響したように思われます。


このように著名な国際的裁判の記事を通じて、各国の裁判制度を知るというのも面白いのではないでしょうか。

このアップルとサムスンの法廷闘争の決着も気になるところです。

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