社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

準備書面とビジネス文書

2012年7月 9日

今回は、裁判所に提出する準備書面と、会社で用いられるビジネス文書について、私の思うところを語っていきます。

民事事件では、訴訟を提起する場合、まずは訴状という書面を裁判所に提出し、その後は、その訴状の内容を敷衍して説明したり、主張を追加するために、準備書面を裁判所に提出します。


訴状や準備書面は裁判所だけでなく、当然相手方にも送られ、相手はそれに対し、反論の準備書面を裁判所に提出します。


この訴状や準備書面は法的文書であるため、専門用語が用いられるなど一般の方が読んでも難しい内容が含まれている場合があります。


また、たとえば民法に基づく損害賠償請求訴訟を提起する場合でも、該当する民法の条文で定める要件を満たしていなければその請求は認められませんので、その要件を満たすために必要な事実などを記載する必要があり、それに関係ないものは、たとえ書いたとしても、余事記載として裁判所はあまり重視してくれません。


ただ、専門的で難しいことを書けばそれでよいのかといえばそうではなく、一般の方にもよく理解できる書面は、当然ですが、裁判官にとっても分かりやすいです。


また裁判官は日々、何十件、何百件と事件を抱えています。そういった中で原告と被告から提出される書面を読み、和解を勧めたり、場合によっては判決を書かなければならないのです。その仕事量は膨大なものであろうと思います。


そういう裁判官に書面を読んでもらうためには、こちらの言いたいことが端的かつ的確に、そして分かりやすく伝わるような準備書面を作成する必要があるのです。


逆に争点や該当法律の条文と関係はあるものの、自己の法律知識をアピールするような専門用語満載の書面や、何が言いたいのかよく分からない書面は裁判官も真剣に読んでくれないでしょうし、有利な判決を書いてはくれないだろうと思います。


そういえば、このことはビジネス文書でもいえるのではないでしょうか。


たとえば、どの会社でも使用される稟議書。これは、自分の担当する業務に関する決裁事項(簡単に言えば自分のしたいこと)を、決裁権限者(例えば社長)に決裁してもらうために作成される書面ですが、当然、決裁権限者は多忙ですので、自分のしたいことは何で、なぜそれがしたいのか、それをすることで会社にとってどういった効果があるのか等を簡潔かつ的確に説明しなければなりません。


逆に何をしたいのか、なぜそれをしたいのか、それをすることで会社にとってどのような効果があるのかがよく分からない書類では、決裁権限者は決裁してくれないでしょうし、稟議書の書き直しを求められる場合もあると思います。


そういう意味で、ビジネス文書と準備書面とは共通点があると思います。


両者とも、「多忙な人に読んでもらう」という点で共通しているからでしょうか。


これからも「多忙な裁判官にしっかり読んでもらい、こちらの言いたいことが的確かつ確実に伝わり、その結果、こちらに有利な判決を書いてもらうにはどうしたらよいのか」を常に念頭において、準備書面の作成にあたっていきたいと思います。

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