社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

「白い恋人」と「面白い恋人」続報

2012年4月16日

今回は以前紹介しました「白い恋人」VS「面白い恋人」事件の続報の紹介とこの事件で私が感じたこと等について、語っていきます。

以前のブログで、「白い恋人」を製造販売する会社が「面白い恋人」を販売している会社に対し、不正競争防止法及び商標法に基づき販売中止や損害賠償を求めて訴訟を提起したことを紹介しました。


その後、その裁判は最近、第2回目の口頭弁論が行われたようで、その弁論終了直後、被告側から記者会見が行われたようです。


報道によれば、被告側は答弁書(原告側の訴状に対する被告側の主張をまとめた書面のことです)で、原告の製品と被告の製品とは外観が違う、「面白い」と「白い」とでは意味や読み方が違う、「面白い恋人」は大阪などの限定販売で混同をされることはないとして、原告の請求の棄却を求めているようですが、会見では「争うのは本位ではない」として、和解の意向を示している模様です。


この事件は訴訟提起の際、原告側が記者会見を開いていましたが、訴訟提起後で裁判が進行しているにもかかわらず、今回のように被告側が記者会見を開き、自己の考えを表明するというのはかなり珍しいと思います。


また被告側の会見によれば、今回の訴訟提起後、訴えられているほうである「面白い恋人」の売り上げが急激に伸びたようで、これも非常に珍しいケースだと思います。


この事件のようにたとえ自社ブランドが著名であっても、相手側にも一定のブランド力や知名度がある場合には、訴訟提起をし、かつ記者会見を行うことで、逆に相手製品の知名度を上げ、その売り上げに貢献してしまったりする場合もあるのだと感じました。


裁判は紛争解決の「手段」にすぎません。この事件を通じ、自社のとるアクションが社会にどのような影響を与えるのか、このアクションに対し相手はどのような手を打ってくるのかをしっかり想定して物事に取り組む必要があることを痛感しました(原告側は被告側のこのような対応を当然想定していたとは思いますが)。


しかしながら、短期的には自社に悪影響を与える場合でも、長期的に見ればよい結果を与える場合もあると思いますので、5年後、10年後どうなっているかという視点で考えることも必要であると思います。


なお報道によれば、上記の被告側の対応に対し原告側は「答弁書の主張は全く根拠がない」として細部についても反論すると述べているようです。


ともあれ、この事件は、当社提訴した「セイロガン糖衣A事件」同様、どう決着するのかが気になる裁判です。

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