社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

事実確認の重要性

2012年4月 2日

今回は、今話題になっている某市元嘱託職員によるリストねつ造問題に絡めて事実確認の重要性について述べていきたいと思います。

新年度が始まりました。今日からまた新たな気持ちでスタートしたいと思います。


さて、某市の市議会議員があるリストを根拠に、この市の交通局と労働組合が組織ぐるみで市長選に関与していたことを、市議会の委員会において追及したところ、その根拠となったリストが実は提供者によりねつ造されていたという問題は皆さんも報道でご存知かと思います。


私はこの報道を耳にし、改めて「事実確認の重要性」を痛感しました。


(企業内弁護士だけでなく、法律事務所に勤務する弁護士も含めて)私達弁護士は、事件が起こった場合、まず関係者からのヒアリングにより事実を確かめます。またメールや文書その他客観的な証拠を集め、そのヒアリングにより得た情報の裏を取るようにします。


また双方の意見が食い違う場合には、できるだけ双方の言い分を聞くように心がけます。


司法試験合格後に入所する司法研修所では、法の解釈の訓練よりも、実際のケースを元にした事実認定のトレーニングをたくさん受けさせられました。


なぜ法律家はこれほどまでに事実の認定に対して厳しいのか。


それは、誤った事実確認やそれを基にした事実認定により、刑事事件であれば、冤罪を生んでしまうおそれがあるからです。また民事事件や労働事件であれば、誤った事実確認、事実認定により、本来損害賠償しなくてもよい人が損害賠償として金銭を支払わなければならない、本来であれば懲戒解雇されるようなことをしていない人が誤った事実確認、事実認定により解雇され、職を失ってしまう可能性があるからです。


つまり、事実確認、事実認定の誤りにより、その人の人生に大きな影響を与えることになるからです(にもかかわらず、報道にあるように一部の検察官が証拠をねつ造し被疑者を有罪にしようとしていたことは、同じ法律家として残念でなりません)。


今回の「セイロガン糖衣A」裁判の対応においても、仮に当社に有利な証拠が出てきた場合には、速やかに裁判所に提出したいところですが、まずはその証拠の信憑性をしっかり確かめ真偽を見極めたうえで提出したいと思います。


また日々の法務業務の中でも様々な方向から様々な情報を入手しますが、事実認定の誤りがその人の人生(会社であれば会社の行く末)に大きな影響を与える場合があることを肝に銘じ、その情報の多角的な分析と、他の関係証拠を収集した上での真偽の見極めに努めていきたいと思います。


少し堅い内容になってしまいましたが、本年度もこのブログを宜しくお願いします!!

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