社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

切り餅特許裁判

2012年3月26日

今回は、先日知財高裁による判決が出ました切り餅の特許侵害をめぐる裁判について語っていきたいと思います。

この事件の概要については、皆さんも報道等でご存知だとは思いますが、業界2位の越後製菓が業界1位の佐藤食品工業に対し、佐藤食品工業が製造販売する切り餅が、越後製菓の保有する切り餅に関する特許を侵害するとして、切り餅の製造販売や損害賠償を求めて提訴した事件です。


詳細は報道等の内容を見ていただきたいのですが、結論だけ述べると、1審では佐藤食品工業の切り餅は越後製菓の特許を侵害しないとして、越後製菓は敗訴しましたが、2審では特許侵害を認め、佐藤食品工業に切り餅の製造禁止と約8億円の損害賠償を命じました。


これに対し、佐藤食品工業は判決を不服として上告するようです。


越後製菓の報道資料によれば、越後製菓は当初から訴訟を想定していたわけではなく、通知書を3回、佐藤食品工業に送付した上で、その後、双方代理人による任意での解決を目指した交渉も行ったようですが、結局は双方の主張がかみ合わず、訴訟提起に至ったとのことです。


報道によれば、越後製菓側の代理人は、今回の高裁判決について「主要な主張が認められた判決。しかし和解で解決できなかったことは大変残念」とのコメントを残しているようですが、このコメントからも越後製菓側は本件を判決ではなく、あくまでも双方の和解によって解決しようとした意向がうかがえます(この真意はよく分かりませんが、おそらくは越後製菓の経営陣の意向だったのだろうと思われます)。


それはさておき、今回の事件で私が注目したのは、業界2位の会社が業界1位の会社を訴えて、そして勝訴したという点です。


グローバルで見ればこのような例は多数あるかもしれませんが、日本の(歴史のある)会社同士で、しかも名のある商品について、今回のような業界2位が1位を訴え、かつ勝訴する例はあまりないのではないでしょうか。


今回の高裁判決が注目を集めているのもこのような点にあるのではないかと思います。


当社の「正露丸」「セイロガン糖衣A」は、それぞれ他社品はあるものの、それらの追随を許さず、シェアNO1を誇っていますが、今回紹介した切り餅の特許に関する裁判を「他山の石」として、引き続きブランドを適切に維持、管理するともに、品質面など他の面からも他社からの攻撃の隙を与えないように日々努力していきたいと思います。


当社製品を愛してくださっているお客様のために。

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