社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

商標として正露丸の歴史(その2)

2012年2月16日

今回は「正露丸」に関連する商標である「セイロ」の歴史について語っていきたいと思います。

前回の「征露丸」に続き、今回は「セイロ」です。

この「セイロ」の商標を当社が取得した経緯ですが、もともとこの商標(昭和7年7月登録)はN製薬㈱(前回でも出てきた会社で、N氏に対し「忠勇征露丸」の使用等の差止め訴訟を提起した会社です)が有していたもので、そのN製薬㈱からO製薬㈱等を経て、昭和29年7月に当社がこの商標権を取得しました。

その後、昭和30年に、Ⅰ工業㈱と㈱N薬房が、当社が保有することとなった「セイロ」の無効審判を求めて特許庁に請求しました。

請求の主な理由は、「セイロ」は「征露」(ロシア征伐)に通じ、国際信義に反するから、公の秩序に反するおそれのある商標であり、無効というものでした。

これに対し、特許庁は昭和35年4月に、Ⅰ工業㈱らの申し立てを退ける審決をしたため、同社らは、東京高等裁判所に、この特許庁の審決の取消を求める訴訟を提起しました。

これに対して東京高等裁判所は、昭和41年4月、Ⅰ工業㈱らの請求を棄却し、当社が勝訴しました。

その後、Ⅰ工業㈱らはそれを不服として最高裁に上告しましたが、昭和42年、最高裁は、同社らの上告を棄却し、当社の勝訴が確定しました。

東京高等裁判所がⅠ工業㈱らの請求を棄却した理由ですが、従来は、「セイロ」から「征露」(ロシア征伐)を観念できたが、日露戦争後はその観念は薄れ、「セイロ」の商標登録がなされた昭和7年頃には、「征露丸」は、その名前をもって呼ばれる「胃腸用丸薬そのもの」を指すものとして認識されるようになったことから、「セイロ」は国際信義に反せず公の秩序に反しないというものです。

最高裁もこの東京高等裁判所の判断を認めました。

このような経緯を経て、「セイロ」という商標は現在も当社の登録商標になっています。

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