社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

過去の「セイロガン糖衣A」裁判

2012年2月27日

今回は「セイロガン糖衣A」を周知著名な表示と認めた、大阪地方裁判所における平成11年3月11日判決について述べていきたいと思います。

昨年10月、当社は、当社製品「セイロガン糖衣A」に類似する表示等を用いた製品を製造販売している会社に対し、不正競争防止法に基づき訴訟提起をしました。

その前にも当社は「セイロガン糖衣A」の類似表示を用いた製品を製造、販売した会社に対し、平成8年に大阪地裁に訴訟を提起しております。

事件の概要ですが、被告は、平成7年頃から「正露丸糖衣錠AA」という表示を用いて胃腸薬を製造販売していました。

これに対し当社は、「セイロガン糖衣A」という表示が、当社製品を識別する周知著名な商品表示にあたることを前提に、「正露丸糖衣錠AA」がこの周知著名な「セイロガン糖衣A」に類似しており、被告の行為は不正競争防止法上禁止される不正競争行為にあたるとして、「正露丸糖衣錠AA」という表示の使用差し止めやその製品の包装・容器の使用差し止め・廃棄、そして損害賠償を求め、訴訟提起をしたものです。

これに対し、大阪地裁は、平成11年3月11日に、当社勝訴の判決を下しました。

判決は、以下の事実を認定し、「セイロガン糖衣A」は当社製品を識別する周知著名な表示になっているとしました。

①大幸薬品は昭和56年11月から「セイロガン糖衣A」表示の使用を開始し、以後一貫して使用している。

②「セイロガン糖衣A」は被告製品の販売以前の直近1年間では年間300万個に至っており、また、㈱社会調査研究所(現㈱インテージ)によるデータによれば、「クレオソートを主剤とする胃腸薬の糖衣錠」に関する売上は、「セイロガン糖衣A」が約95%、被告製品が約5%であり、これら以外には該当製品は確認されなかった。

③大幸薬品は「セイロガン糖衣A」について、新聞、テレビ、ラジオを通じた宣伝広告費用として、平成2年11月から平成7年10月までの間に、約24億円を投下した。

④「セイロガン糖衣A」のこのような大量の販売、長期にわたる強力な広告宣伝、他に同種の商品名を持つ有力な競合商品も存在しなかったことから、大幸薬品の製品は、被告製品販売当時において、すでに「セイロガン糖衣A」の製品名で広く国民の間に浸透していたということができる。

そして判決は、「セイロガン糖衣A」と「正露丸糖衣錠AA」の類似性について、「正露丸糖衣錠AA」には「錠」が加わり、「A」の後に「A」が加わる点で異なるものの、

「セイロガン糖衣A」の著名性も考え併せれば、聞きなじんでいる「セイロガントーイ」と「エー」の部分の共通性により、「正露丸糖衣錠AA」は「セイロガン糖衣A」を連想させ、両者を類似するものとして受けとるおそれがあるとし、類似性も認めました。

こうして当社勝訴の判決が下り、当社、被告ともに控訴しなかったことから、この判決は1審で確定しました。

昨年10月に当社が提起した訴訟は、まさにこの判決を下敷きにしており、論点も今回ご紹介した裁判とほぼ同様です。

今回の裁判の結果が、平成11年の判決に引き続き、「セイロガン糖衣A」ブランドをより強固なものとするよう、頑張っていきます!!

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