社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

ポテトチップス

2012年1月10日

今回は「ポテトチップス」の例を通じて、「不正競争防止法」が目指す「公正な競争」とは何か、について語っていきたいと思います。

(少し遅いですが)新年あけましておめでとうございます。

本年も本ブログを宜しくお願いします。

皆さん。スーパーでよく見るポテトチップスといえば、「カルビー」のポテトチップスと「湖池屋」のポテトチップスだと思います。

前から思っていたのですが、この2社のポテトチップス。パッケージがよく似ていると思いませんか(特にうすしお味)。

不正競争防止法を知ってから、私はなぜ、カルビーや湖池屋は、今回当社が提起したような不正競争防止法に基づく訴訟等をしないのだろうと不思議に思っていました。

この理由として、カルビーは「カルビーポテトチップス」として、湖池屋は「コイケヤポテトチップス」として、様々な、かつ独自の味の「ポテトチップス」を提供し、またテレビCMも双方ともに相当な額を費やしており、自社ブランドの「ポテトチップス」の周知に努めています。このようなことから(誠に勝手な推測ですが)双方とも、自社の「ポテトチップス」が周知著名であることや相手が自社ブランドにただ乗りしていると主張立証することが難しい、との判断があったこともその一因ではないかと考えました。

その証拠に、私が一消費者としてスーパー等で「ポテトチップス」を購入する場合、テレビCMの影響等から、現在では「カルビー」のものか、「湖池屋」のものか、明確に識別することができますし、どちらの「ポテトチップス」のほうが、より全国的に知られているのか、明確に言うことはできません(むしろ双方とも全国的に知られているのではないでしょうか)。

このケースから分かることは、たとえ後発の会社が、先行している会社の商品に似せた表示の商品を販売したとしても、後発会社が広告宣伝等により自社ブランドを形成し、消費者が先行会社のブランドと後発会社のブランドとを明確に識別できる場合には、それこそが正に不正競争防止法が目指す「公正な競争」であり、この場合には、不正競争防止法が関与する問題ではないということです。

(なお、このような書き方をすると、「湖池屋」のポテトチップスが後発会社のように捉えられるかもしれませんが、「カルビー」「湖池屋」双方のホームページを見ると、「湖池屋」 のほうが先に「ポテトチップス」の量産化に成功していたようです)。

このケースの解釈については、いろいろあるとは思いますが、このように身近なケースから少し掘り下げて考えてみると、不正競争防止法の理解が進むのではないでしょうか。

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