社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

商標の「使用」

2012年1月23日

今回は、少し専門的な内容になりますが、過去の裁判例を通じて、商標の「使用」とは何かについて語っていきたいと思います。 

今回は、少し専門的な内容になりますが、過去の裁判例を通じて、商標の「使用」とは何かについて語っていきたいと思います。

「商標」という言葉を聞かれたことはありますか。

 これは主に商品のネーミングやキャッチコピー等に対して使われる言葉で、このネーミングやキャッチコピーを特許庁に申請し、商標登録をしておくと、登録したネーミングやキャッチコピーを独占的に使用することができるというものです。このことは「商標法」という法律に書かれています。

 またこの法律に基づき商標登録しておくと、登録したネーミングやキャッチコピーそのものか、もしくはそれに類似したネーミング、キャッチコピーを商品等に「使用」した者に対して、使用中止や損害賠償を求めることができます。

 それでは、登録したネーミングやキャッチコピーを、登録者以外の者が「使用」すれば、どんな場合でも使用中止や損害賠償が認められるのでしょうか。

 このことが争われた裁判が過去にあり、その裁判では結論として商標登録をしている側が敗訴しました。

 事件の概要を簡単に説明すると、「テレビマンガ」(すべてカタカナです)の商標登録者が、「テレビマンガ」に類似する「テレビまんが」を商品に使用している(使用態様は以下の通り)として、カルタを販売している会社に対し、訴訟を提起したものです。

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この中で裁判所が述べた部分を非常に簡単に説明すると、

 「商標は、自己の商品と他人の商品とを識別するための標識(いわば目印)として機能することにその本質があり、商標を登録する者が使用中止等を求めるためには、単にその商標がその商品に付されているだけでは足らず、自己の商品と他人の商品とを識別する標識(目印)として使われている必要がある。

 今回の「テレビまんが」の使用は、このカルタが、周知の昔話である「一休さん」のうち、現にテレビ放映されている「一休さん」を基に作られたもので、絵札に登場するキャラクターがテレビ放映されている「一休さん」に由来することを示すものにすぎず、自己のカルタと他人のカルタを識別する標識(目印)として使われているとはいえない。」

 商標法の趣旨や商標の本質から考えれば裁判所のいう通りだと思いますが、この訴訟を提起した商標登録者側の気持ちもわからないではなく、「使用」という言葉ひとつで裁判になってしまう「法律」というものは、相変わらず分かりにくいものだと私は思いました。

 皆さんはどのように思われましたか?

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