社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

「白い恋人」と「面白い恋人」

2011年12月 5日

今回は「白い恋人」を製造販売している会社が「面白い恋人」を製造販売している会社を訴えた出来事を通じて、ブランドを守るために重要なことは何か、について述べたいと思います。

先日、北海道土産として有名な「白い恋人」を製造販売している会社が、「面白い恋人」を製造販売している会社を相手に訴訟を提起したとのニュースが流れました。

訴えた側の会社の報道資料を読むと、提訴に踏み切った理由は、端的に言えば、30年にも長きにわたって人気と知名度を得ている「白い恋人」ブランドを守るためだそうです。

請求の根拠は、報道資料によると不正競争防止法と商標法のようです。

同様の訴訟(不正競争防止法に基づく訴訟)を、しかも同様の理由(主力製品のブランドを守る)で提起している側の人間として、この裁判の行方は非常に気になるところです。

ところで、民法という法律に消滅時効という規定があります。

これは簡単に言えば、たとえば誰かにお金を貸したとしても、貸したときに定めた返還期限から一定の期間(10年間)、請求や催促などをしなければ、その権利(貸したお金を返せといえる権利)は消滅してしまうという制度です。

この制度が導入された趣旨、理由はいろいろあるのですが、その1つに「権利のうえに眠るものは保護しない」という考え方があります。

つまり、権利は持っているものの、そのうえにあぐらをかき、何も行動をしなければ、その権利は保護されないということです。

このことは、今回、当社が提起した裁判、そして「白い恋人」を製造販売している会社が提起した裁判にもあてはまると思います。

つまり仮に、当社が「セイロガン糖衣A」の類似品が多数市場に出回っているにかかわらず、抗議文送付や訴訟提起をせず、長期間何らの行動も起こさなかった場合、後になって今回のような訴訟を提起したとしても、不正競争防止法では保護されないでしょう。

なぜなら、今回の裁判は、「セイロガン糖衣A」が大幸薬品の製品を示すものとして、全国的に知られており、著名であることを前提にしていますが、類似品が多数出回っていることということは、それだけシェアも奪われているということになるし、当社としても類似品の存在を容認したということになって、商品表示性(「セイロガン糖衣A」が大幸薬品の製品を示す表示であるかどうか)や著名性が認められなくなる可能性が高まるからです。

つまり、多額の広告宣伝費を費やしてその商品の知名度を上げたとしても、類似品に対して何らかのアクションをしなければ、その商品の知名度、ブランドは保護されないのです。

今回、「セイロガン糖衣A」の類似品がそれほど出回っていない状態で、訴訟提起に踏み切ったのも、このような思いがあるからです。

「面白い恋人」を訴えた上記会社も、おそらく同じ思いではないか、と思います。

今回の当社におけるこのアクションが、今後も末永く「セイロガン糖衣A」ブランドを守っていくための重要なアクションになることを信じて、今日もがんばっていきます!!

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