社内弁護士森田の訴訟奮戦記ブログ

このブログでは、大幸薬品の社内弁護士である森田が、「セイロガン糖衣A」ブランドを守るために行っている活動やブランドへの「思い」をお届けします。

不正競争防止法

2011年11月11日

今回は、先月提起した裁判の根拠となっている不正競争防止法について、簡単に解説したいと思います。

先月6日、当社は、不正競争防止法に基づき、訴訟を提起しました。

この不正競争防止法は、その名の通り、不正競争を防止することにより、事業者の営業上の利益を保護し、公正な競争を確保するために制定された法律です。

分かりやすくいえば、『ある企業や個人が公正な競争を妨げる行為をすることで、競争相手である企業や個人が不利益を被ることを防ぎ、企業や個人が公正に事業活動をできるようにするための法律である』と、私は理解しています。

そして、今回の裁判の根拠となっているのは、主に、この法律の第2条第1項第1号と第2号ですが、この条文はどのようなことを定めているのかというと、第1号は「周知表示混同惹起(じゃっき)行為」、第2号は「著名表示冒用(ぼうよう)行為」を「不正競争行為」つまり「公正な競争を妨げる行為」と定めています。

そして相手の行為が「不正競争行為」と認められると、不正競争行為をされた側は、その行為を中止することを求めたり、またその行為によって被った損害の賠償を請求することができます。

「周知表示混同惹起行為」、「著名表示冒用行為」、いずれも難しい言葉で分かりにくい(これを定める条文はもっと分かりにくい)のですが、

「周知表示混同惹起行為」とは、分かりやすく、かつ具体的にいえば、

特定の需要者層や一地方の間で広く認識されている商品の容器(A社製造)とよく似た容器を用いて商品を販売し、その商品があたかもA社の商品であると誤信を生じさせるおそれのある行為』ということができます。

この条文に基づき請求を認めた裁判例としては、ソニー㈱の有名な表示である「ウォークマン」と同一の表示を看板に使ったり、「有限会社ウォークマン」という商号を使用した業者に対し、その看板の使用禁止とその商号の抹消請求が認められた事例があります。

そして「著名表示冒用行為」とは、分かりやすく、かつ具体的にいえば、

『広告宣伝などで全国的に知られている商品の容器とよく似た容器を用いて商品を販売する行為』ということができます。

この条文に基づき請求を認めた裁判例としては、当社が過去に提起した裁判で、「セイロガン糖衣A」に類似する「正露丸糖衣錠AA」という表示を胃腸薬に用いた会社に対し、損害賠償が認められた事例があります。

両者の違いとしては、「周知表示混同惹起行為」のほうは、その類似商品があたかも(上記の例で言えば)「A社の商品であると誤信させるおそれがある」ことが要求されているのに対し、「著名表示冒用行為」のほうは、そのような誤信は要求されていないことが最大の違いであると私は理解しています。

特定の需要者層や一地方の間で広く認識されている(周知性)」と「全国的に知られている(著名性)」は、言葉は違うものの、実際の裁判では、その立証に同じ証拠が用いられていることも多く、実際上の違いを感じることはありません。

今回のブログと、当社が訴訟提起時にリリースした資料とをあわせてみていただければ、当社がどのような主張に基づいて訴訟を提起したかがよくお分かりいただけると思います。

是非、リリース資料(http://www.seirogan.co.jp/dl_news/file0119.pdf)とあわせてご覧ください。

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